フレームワークをつくる

過去の出来事などの映像や音などがいわゆる「記憶」と思い込みがちですが、実はそれは記憶の一形式にしかすぎません。記憶のメカニズムはとても複雑で、人間はさまざまな方法で脳にデータをためこんでいるのです。その具体的な方法は、脳の研究者にすらまだよくわかっていません。脳の全体像をつかもうとすると、脳は理解しがたくなるのです。

ただ、数兆個もある脳のニューロンの間を流れる電気信号によって記憶がためこまれることは分かっています。そして、記憶には4種類の形式があることも確かです。わたしたちは、この4つの記憶を相互にうまく活用しながら新しいことを覚え、過去の経験を活用しています。エピソード記憶、意味記憶、手続き記憶、展望的記憶の4つの性質を理解した上で、総合的に記憶力をアップしていきましょう。

エピソード記憶とは?

過去に起こったことを記憶することをエピソード記憶と言います。過去の記憶は覚えているようでしばしばあいまいです。人生の最初の記憶を思い出してみれば、その一部分しか思い出せないことに気が付くでしょう。重大事件のひとつを思い出してみましょう。そのニュースをあなたはどこで最初に聞いたか覚えていますか? そのことを誰かに話したことがありますか? ところで、その記憶は本当に正しいのでしょうか?

もし、日記などをつけているのであれば、確認してみましょう。エピソード記憶というものは、実際に起こったこととかなり違っていることが多いのです。

意味記憶とは?

猫とはどんな動物か、自分の携帯番号は何番なのか、というような世の中の色んな物についての記憶のことを、意味記憶と呼びます。エピソード記憶と意味記憶は、脳の中で収められている場所が違うと考えられています。脳梗塞で脳の特定の部分に障害が生じた時に、砂糖をしまった場所は覚えていても、白い粉の名前を思いだせないということがあります。砂糖をしまうというエピソード記憶は残っているのに、砂糖という意味記憶が消えてしまったケースです。

手続き記憶とは?

いわゆる「体で覚えた」記憶を手続き記憶と呼びます。自転車に乗ったり、走ったり歩いたり、泳いだり踊ったりする記憶です。体で覚えた記憶はもっとも残りやすく、脳に深刻な打撃を受けた場合でも、バイオリンの演奏など身体を使った複雑な作業が可能なことがあります。

展望的記憶とは?

将来の計画を立てるものを展望的記憶といいます。わたしたちは過去のことをどんどん忘れているのですから、未来のことはもっと忘れやすいのは当然です。記憶の中では最も弱いものです。感情がトリガーになって過去を思い出すことはあっても、未来を思い描くことはありません。

わたしたちの生活は、これらの記憶が相互作用して営まれています。新しい体操を覚えたりするときには、4つの記憶がうまくかみ合わさってマスターしていくものです。4つの記憶のそれぞれの能力を同時に高めていくことで、記憶力を総合的に高めることができます。

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