音楽は記憶と深く結びついている

懐かしい写真を見たり、懐かしい匂いをかいだりしたのがきっかけとなって昔の記憶を思い出した、という経験はありませんか? すっかり忘れてしまっていたように思っていても脳はちゃんと覚えていて、単に思い出し方を忘れていただけというケースがしばしばあります。そういった記憶はふとした刺激をきっかけにして引き出されることがあるのです。
思い出すきっかけになる刺激の中でも、特に記憶を引き出す働きが強いと言われているのが音楽です。昔好きだった音楽を聞いたら当時のことがまざまざと思い出されたり、場合によってはその時の雰囲気や空気まで再体験できてしまったり……音楽によって引き出される記憶はとても鮮明で、強いイメージを伴うものです。 音楽は様々な刺激の中でも、特に記憶との結びつきが強固なものと言えるでしょう。

なぜ音楽は記憶と結びついているのか?

音楽と記憶との結びつきが強い理由は、脳の構造にあります。音楽は当然音ですので、聴覚を刺激します。そして聴覚への刺激は脳の中でも「大脳辺縁系」と呼ばれる部位に伝達されるのですが、その際に記憶を司る部位である「海馬」にも多くの刺激が与えられるのです。すなわち、音楽を聞くと聴覚に関わる分野だけでなく、同時に記憶に関わる分野も刺激を受けているのです。このプロセスこそが、音楽と記憶との結びつきを強めているのでしょう。
また、別の方面からのアプローチとして、音楽が右脳を刺激することを理由としている説もあります。人間の脳は右脳と左脳の二つにわかれていて、右脳は画像などのイメージを、左脳は言語などの理論を司っています。音楽を聞いた時に刺激されるのは右脳なのですが、右脳が刺激されるとイメージを司る分野が活性化します。すると、聞いた音楽に関係する過去のイメージなどが脳内から引き出されるのです。

音楽を利用した記憶術

音楽と記憶との結びつきの強さを利用した記憶術・暗記術があります。それはものごとを覚える際に音楽をかけておいて、思い出す前にその音楽を聞く、というものです。この際に聞く音楽は記憶の邪魔にならない刺激の弱いものが推奨されており、特に落ち着いたクラシックやヒーリングミュージックなどが効果的です。
この方法を活用しやすいのは各種テストでしょう。音楽を聞きながらテスト勉強を行い、そしてテストの直前にポータブルプレイヤーなどを使って勉強の際に聞いていたBGMを聞き直すことで記憶を引き出すのです。
また、一部の音楽には脳や神経をリラックスさせて、その働きをより効率的なものにしてくれる効果があると言われています。そういった効能を期待してみるのもよいでしょう。

音楽は感情まで思い出させる

記憶の中にはその時に覚えた感情まで記録されていて、音楽を用いて記憶を鮮明に引き出すことで当時の感情まで再現することができます。
実験によって、楽しかった時に聞いていた音楽を聞くことによって脳内に快楽を感じる物質である「セロトニン」が分泌されることや、逆に辛かった時に聞いていた音楽によって脳や神経の働きが鈍って気分が沈むことが確認されています。
これを利用すれば、楽しかったりやる気に満ちていたりした時の音楽を聞くことで、今の自分を前向きにさせたりやる気を出させたりすることができるでしょう。

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